「何さらしてけつかるねん」に見いだした新たな可能性

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向井大輔
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「まだまだ勝手に関西遺産

 先日、人形浄瑠璃文楽を見ていた時のこと。江戸時代の大坂を舞台にした演目「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」で、「道具屋のうちにけつかって」というせりふに出くわした。

 ん? 今でも関西のベテラン芸人らが口にしている「何さらしてけつかるねん」の「けつかる」のことなのかな。江戸時代にも使われていたのか。なんてことを考えているうちに、ふと思った。そもそも「けつかる」ってなんやねん、と。記者は生まれも育ちも関西なので何度も耳にしてきた言葉だが、「けつ」も「かる」もよく分からない。調べてみることにした。

 「大阪ことば事典」(牧村史陽編)に「ケッカル」という項目があった。「居る、するの意の下品な悪態口に用いる語」とある。なるほど。そうすると「夏祭」のせりふは「道具屋の中に居やがって」となるわけか。さらに「他の動詞に付いて、その下品な言い方になる」とも記されていて、「何さらしてけつかるねん」はこちらの用法のようだ。

記事の後半には、「けつかる」に新たな可能性を見いだした吉本新喜劇の末成映薫さんのギャグとその誕生秘話、応用例が書かれています。

 由来については、「蹲(つくば)う」がカッツクバウ→カッツクバルとなり、さらにケッカルに転じた、との説を紹介している。しかし、「上方語源辞典」(前田勇編)では「音変化に無理がある」と反論。「尻(けつ)かるの意で、居敷(いし)かる(座るの意)などへ類推した語であろう」としている。どうもはっきりしていないようだ。

そもそも関西弁なのか

 「そもそも関西弁独特の表現とは言えなさそうなんです」。そう話すのは、日本漢字能力検定協会の佐竹秀雄・現代語研究室長(73)だ。「詳しくはないんですが」と断った上で、色々と調べてくれたところによると、「日本国語大辞典」に、方言として北海道と首都圏、九州をのぞいた各地で使われていたことが記されているという。関西弁に関するどの本にも紹介されているのに、どういうことだ?

 「関西弁という印象が強いの…

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