人気の投資信託、まさかの運用終了 株高乗れずになぜ?

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柴田秀並
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 9月2日、1本の投資信託が運用終了となる繰り上げ償還を迎える。外資系運用会社の商品「あんしんスイッチ」で、相場下落時も最低額を保証する損失限定型と呼ばれる投信の一つだ。昨秋以降の株高で運用好調な投信も多いなか、なぜ成績が振るわなかったのか。理由を探ると、投信選びの注意点が見えてくる。

損失限定型の投資信託とは

株式などリスク資産も運用対象とする投資信託は、元本割れが起こりうるが、損失限定型だと元本の一定割合を保証して損失を抑える。「大きなリスクを避けつつリターン(収益)を得られる」などの営業文句で、一部の銀行や証券会社でよく売れていた。基準価額が一定の下限に達すると運用をやめ、その時点の資産を顧客へ返す。最低保証があるため、顧客は通常の手数料(信託報酬)のほかに保証料も負担する。

 「これまで受益者の皆様にご愛顧いただいたことを深く感謝申し上げる」。運用会社アムンディ・ジャパンは8月4日、あんしんスイッチを9月2日に繰り上げ償還する案内を出した。2017年7月に運用が始まり、三井住友銀行などが積極販売した商品。純資産総額は一時2300億円超と有数の規模に膨らんだが、人気商品はわずか4年余りで投信市場から退く。

 この商品の大きな特徴は「プロテクトライン」と呼ばれる最低保証額を設け、それを上回る運用をめざすこと。当初の設定は9千円で、相場急変などで大きく値を下げても9千円は保たれる。一方で、そこまで下がると運用をやめ、顧客へ資産を返す繰り上げ償還に踏み切る。「リスクを抑えながら中長期的な資産形成を図る」という設計だった。

 17年7月に1万円で始まった基準価額は、20年2月に1万231円の最高値をつけた。しかし、3月の新型コロナの感染拡大を受け、1カ月余りで9100円台に急落。運用会社は9千円を下回らないように、投資対象を短期国債などリスクの低い資産に重点的に振り向け、同3月以降は株式をゼロに近づけた。

写真・図版
あんしんスイッチの基準価額と運用イメージ

 コロナ禍で落ちた株式市場は昨秋以降に急回復。米株価は最高値更新が続き、日経平均株価バブル経済期以来の3万円台に一時乗せた。株高を追い風に成績が上向く投信も多かった。

 一方で、あんしんスイッチは…

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