力の源は生キャラメル 敦賀気比の寮母「我が子のよう」

佐藤常敬
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(24日、高校野球選手権大会 敦賀気比6-3三重)

 第103回全国高校野球選手権大会で準々決勝進出を決めた敦賀気比(福井)の部員のほとんどは、学校の敷地内にある修文寮で暮らしている。15年以上寮母を務める山本知子さん(65)は「新型コロナに雨天と大変なことばかりだったけど、けがをせず無事に試合を終えてほしい」と、選手たちを親の気持ちで見守っている。

 修文寮では野球部員の9割近い77人のほか、テニス部やサッカー部の生徒も共に生活している。

 子育ても一段落したころ、寮母の募集を知人から聞いて「楽しそう」と応募した。風呂や廊下などの掃除、荷物や鍵の管理などをしている。

 寮生の様子はよく観察している。「元気がないな、なんか言いたそうな顔やな」と思っていると、事務室にふらっと話をしにくることも。高校生とはいえ厳しい競争の世界で生きている。「結果が出ない。敦賀気比に入れてくれた親に申し訳ない」と悩む寮生には、「親はね、ここにいて頑張ってくれるだけでうれしいんや」と諭す。

 食堂があるので料理はしないが、最近は寮生が活躍した時などのご褒美に、バターや牛乳で生キャラメルを作ってふるまうようになった。1度に200個、煮たり冷やしたり、4日間かけて作る。「今度、生キャラメルいつ?」「これ食べて次も勝つ」などと言ってくれるのがうれしい。福井大会で野球部が優勝した時も、もちろん作った。

 テレビ画面に映る寮生たちの顔は、いつの間にかたくましくなっていた。「子どもたちの成長した瞬間を見られることがうれしい。我が子ですよ、この子たちは。どきどきしながら見守っています」(佐藤常敬)