腹くくった石見智翠館の変則左腕 直球遅くたって好救援

大坂尚子
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(24日、高校野球選手権大会 石見智翠館5-4日大山形)

 甲子園での初出番は、ピンチでやってきた。

 しかも、7月27日の島根大会準決勝以来、約1カ月ぶりの登板だった。それでも、石見智翠館の左腕、山本由吾は「いつも通り」とマウンドに上がった。

 五回1死二塁。立ち上がりの制球が乱れ、いきなり死球を与えた。迎えた中軸。2年生は腹をくくる。「抑えるしかない」。3番に粘られながらも、高めの直球で空振り三振。4番は内角直球で力のない投ゴロにしとめた。

 直球はいずれも120キロ台。それでも打ち取れるのは、その投球フォームが大きい。

 半年前、制球難を克服しようと上手から横手投げにし、背中を打者に向けてから投げるフォームに変えた。出どころが見えづらくなり、タイミングを外し、打たせて取る投球スタイルを確立した。末光章朗監督も、相手の目先を変えようと、この変則左腕を途中から送り出す。

 この日、七回に4連打などで一時逆転されたが、その後も「腕を振るだけ」と開き直った。八回、九回のピンチも直球で押して切り抜け、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 校名が江の川だった2003年以来の8強。準々決勝の相手は、智弁和歌山。強豪との対戦を見据え、「きょうは野手に助けられたから、次はもっと思い切り投げたい」。どこまでも強気だ。(大坂尚子)