精子の運動に必須のたんぱく質発見 不妊治療活用も

竹野内崇宏
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 大阪大学などの研究チームは、精子が正常に動くために必要なたんぱく質の一種をマウスで発見した。このたんぱく質はヒトにも存在することから、男性側が原因となる不妊症の原因究明や避妊薬の開発に役立つとしている。

 男性側に原因がある不妊の原因の約2割は、オタマジャクシのように動いて進む精子の運動性の低下が理由とされている。精子の頭部の首もとにあたる「中片部」が正常に動かない場合、卵子の殻をうまく破れず、受精率が下がることが知られていた。

 そこで阪大微生物病研究所の宮田治彦准教授(生殖生理学)らのチームは、中片部の動きに欠かせないたんぱく質を探索した。

 その結果、「SPATA33」というたんぱく質を体内でつくれないように遺伝子操作したマウスでは、中片部の動きに欠かせない酵素が十分に集まらず、不妊になることを突き止めた。

 このたんぱく質は人間の精巣や精子にも存在することが知られていたが、詳しい働きは不明だった。

 宮田准教授は「今回のたんぱく質が不妊の原因となっている可能性を調べたり、この働きを抑えて男性向けの避妊薬を開発したりできないか、研究を進めたい」と話している。

 研究成果は近く米科学アカデミー紀要(https://doi.org/10.1073/pnas.2106673118別ウインドウで開きます)で公開される。(竹野内崇宏)