習近平氏の思想、教科書に 中国政府がガイドライン発表

北京=冨名腰隆
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 中国教育省は24日、習近平(シーチンピン)国家主席の政治理念「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を学校で指導するための教科書ガイドラインを発表した。小学校から大学院まで段階的に思想を深め、個人の目標が国家富強や民族振興と結びつくことを目指す。習氏個人のさらなる権力集中につながりそうだ。

 習氏の思想は2017年の共産党大会で党規約に盛り込まれ、18年には憲法にも明記された。習氏が掲げる「中華民族の偉大な復興」の実現に向け、国力を高めて党による統治を強化することが柱だ。習氏はその後も経済、法治、強軍など細分化された自らの思想を次々に発表している。

 ガイドラインは、習氏の思想を「現代中国のマルクス主義」と位置づけ、「党と歩んで正しい世界観や人生観、価値観を形成することに重大な意義がある」と強調。小学校では習氏が「全党人民の道案内人」であることを教え、大学など専門分野へ進んだ後も習氏の思想と関連づけた指導を要求している。

 会見した教育省幹部は、ガイドライン策定の狙いを「環境保護や感染症予防を教えるにしても系統的ではなかった。習氏の教育精神を反映していく」と説明。民族復興を担う後継者育成のためにも「学生の頭脳を習氏の思想で武装しなければならない」とした。

 重要な政治イベントである結党100周年式典を7月に終え、習指導部は来年の党大会に向けた足場固めに入りつつある。思想教育の徹底は、習氏の長期政権をにらんだ動きとの指摘もある。(北京=冨名腰隆