旧ソ連6カ国、アフガンめぐり対処方針作成へ

モスクワ=喜田尚
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 イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタン情勢をめぐり、ロシアや中央アジア各国が地域の不安定化に神経をとがらせている。旧ソ連6カ国が加わる集団安全保障条約機構(CSTO)は23日、オンライン形式の緊急首脳会議を開き、統一の対処方針作りを決めた。ロシアのプーチン大統領は自国に武装勢力が流入するとして、中央アジア各国の難民受け入れに反対している。

 各国はアフガニスタン情勢に刺激を受け、国内でイスラム過激派の活動が活発になることを恐れている。

 CSTOには中央アジアのカザフスタンキルギスタジキスタンとロシア、ベラルーシアルメニアが加盟する。ロシアのペスコフ大統領報道官によると、首脳会議では「アフガニスタンでIS(過激派組織『イスラム国』)が強い勢力を維持している」と懸念する発言が相次いだという。

 アフガニスタンとの1300キロ超の国境を抱えるタジキスタンでは2015年に野党「イスラム復興党」が非合法化されて以来、一時沈静化したテロ事件が再発。19年まで襲撃事件などが相次ぎ、いずれもアフガン北部で活動を始めた過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。

 ロシアは過去数年でタリバンと関係を築き、各勢力が参加する政権づくりを支持するが、その根底にあるのはアフガニスタンの不安定化で南部チェチェン共和国に武装勢力が流入した90年代~00年代の状況に逆戻りすることへの不安だ。ロシアのペスコフ大統領報道官は会議後、「(アフガニスタンが)内戦に陥る可能性があるという文脈で話し合った」と述べた。

 ザシCSTO事務局長(ベラルーシ)によると、各国がタジキスタンの国境警備を支援することでも合意した。

 首脳会議には12年にCSTOを脱退したウズベキスタンのミルジヨエフ大統領も参加。ノーボスチ通信によると、自国の対アフガニスタン国境の警備強化について報告した。同国は20日、アフガニスタン側から国境を越えてきた難民150人をアフガン側に戻したと発表した。声明で「タリバンから、彼らへの迫害を許さないとの合意が得られた」としたが、援助機関からは懸念の声が上がった。

 プーチン氏は22日、国内の会合で「難民のふりをした武装勢力の出現を望まない」と発言。中央アジアからロシアに渡ることは容易だとして、米国などが自国ビザの準備ができるまで、アフガニスタンから退避する欧米の協力者らの一時的な受け入れを周辺国に要請したことも強く批判した。(モスクワ=喜田尚)