市に多額寄付の「北斗の拳」作者 初の原作展に照れる

滝沢隆史
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 漫画「北斗の拳」で知られる長野県佐久市出身の漫画原作者、武論尊(ぶろんそん)さんの原作原稿などを公開する展覧会が同市立近代美術館で開かれている。武論尊さんの原作展は全国初という。

 中学卒業後、航空自衛隊などを経て、1972年に「五郎くん登場」の原作でデビュー。83年に連載が始まった「北斗の拳」が大ヒットし、人気原作者の仲間入りを果たした。

武論尊さん、市に4億円寄付→奨学金

 故郷への愛着も強く、2017年には市に4億円を寄付し、それをもとに市が大学生向けの返済不要の奨学金制度を創設した。

 武論尊さんは18年から、漫画家や漫画原作者をめざす若者を対象に、市内で「武論尊100時間漫画塾」を無料で開講しており、これまでに11人が漫画誌などに作品が掲載されたという。

 原作展はデビューからの作品を振り返り、最近に手がけた「BEGIN」「Too BEAT」の2作品の原作原稿53枚と、原作をもとに漫画家が描いた原画の複製を並べて展示した。原稿用紙に手書きで書かれた原作は、セリフを書き加えるなどの推敲(すいこう)の跡が見て取れ、実際の漫画と見比べることができる。

 武論尊さんは、初日の21日にあった内覧会にやって来た。「原作を公開するのは恥ずかしい」と照れながら、「漫画の世界は無限大で、絵が描けなくても原作として関われる。原作がどう漫画になるのかを見てもらい、興味を持ってくれたらうれしい」と話した。

 ほかに、海洋堂ホビー館四万十(高知県四万十町)が所蔵する「北斗の拳」の多数のフィギュアも展示。漫画の名場面を再現したジオラマもある。10月3日まで、観覧無料。新型コロナウイルス対策のため、当面は予約優先の定員制で開催する(感染状況で変更あり)。(滝沢隆史)