「妊娠してますか」受給者への「ハラスメント」後絶たず

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中塚久美子
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 低所得のひとり親を支援する児童扶養手当で、毎年8月にある受給資格の更新審査が、受給者のプライバシーに過剰に踏み込む「窓口ハラスメント」だと問題視されている。妊娠や交際相手の有無をぶしつけに問われることがあるためだ。厚生労働省が7月に配慮を求める通知を自治体に出したが、今年も訴えは続き、支援団体が改めるよう求めている。

「水回り見る」浴室や寝室を男性職員に開けられそうに…

 「異性とのひんぱんな家の行き来はありますか」「現在、妊娠していますか」――。兵庫県伊丹市の女性(37)は今月、市役所の窓口で渡された書類のチェック項目をみて違和感を拭えなかった。昨年、初めて申請した時も、男性職員から「妊娠しているか」と周囲に聞こえる声で尋ねられ、驚いたという。妊娠の有無は資格に直接関係ない。女性は「なぜ一律に女性にだけ妊娠を聞くのか。なぜ男性には『あなたの子どもを妊娠している可能性のある女性はいるか』と聞かないのか」と疑問を投げかける。

 同県加古川市の30代女性もまた、8月を憂鬱(ゆううつ)な気分で迎えた一人だ。

 申請した昨年、ひとり親の実態を確認するとして市の男性職員2人が自宅を訪ねてきた。「水回りをまずみる」と台所を確認。浴室や寝室を開けようとしたため、思わず制止した。「みなさんに尋ねています」と妊娠やパートナーの有無も聞かれたという。

 今年は、7月末に市から届いた審査用書類に、ひときわ目立つオレンジ色の不正受給に関する注意書きが同封されていた。強調度合いに「受給者に対する圧力を感じた」という。女性は元夫の暴力から逃げた後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。書類を見た後、苦しかった出来事を思い出し、心身の調子を崩しかけたという。女性は「今のやり方が寄り添う支援につながるのか。立ち止まって考えてほしい」と話す。

自治体側、「必要な質問・調査」との姿勢崩さず

 児童扶養手当は、収入や子ど…

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