ノストラダムス「大予言」の呪縛 原点は敗戦の崩壊体験

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太田啓之
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 1973年に世に出た五島勉作「ノストラダムスの大予言」は、昭和生まれの少なからぬ人々にとって、生涯で最も衝撃が大きかったトラウマ本でしょう。「1999年、人類は滅びる」という予言はなぜ、これほどの影響力を持ったのか? 同じ73年のベストセラー「日本沈没」との意外な接点とは? 作者がノストラダムスを通じて描こうとした自らの原点とは? そして、今も続く「大予言」の呪縛とは? 「大予言」トラウマ世代ならば見逃せない新事実の数々をお伝えします。

写真・図版
祥伝社刊『ノストラダムスの大予言』

 さくらももこ作の漫画「ちびまる子ちゃん」に、ノストラダムスの予言を扱ったエピソードがある。「1999年、7の月 空から恐怖の大王が降ってくる」という人類滅亡の予言を信じ込んだまる子が、「どうせ1999年には死ぬんだもん」「遊んでくらすよ」と宣言し、家族を困らせるという内容だ。

 64年生まれで、作中のまる子と同世代の私(記者)の場合、その影響はまる子よりも相当悲惨だった。小学4年生になる春休みに伯父の家に泊まった夜、本棚にあった「大予言」を盗み読みしたところ、あまりの怖さに食べたものを吐き戻し、寝込んでしまったのだ。

 初版の発行日は1973年11月25日。核戦争へとつながりかねない東西冷戦が続く中、当時の日本では魚介類の有機水銀汚染や光化学スモッグなどの公害問題が深刻化していた。10月のオイルショックをきっかけに戦後の高度成長は終わりを告げ、急激な物価の上昇や物不足で人々の生活が脅かされる最中、この本は刊行された。

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