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仏、反ワクチンデモに17万人 「打たない自由認めて」

新型コロナウイルス

パリ=疋田多揚
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 新型コロナウイルスのワクチン接種が進むよう、外食や通院の際に接種証明か陰性証明の提示を義務づけているフランスで、「自由の侵害だ」として反発するデモが収まらない。マクロン大統領は未接種者を「エゴイストだ」と断じて義務化を正当化しているが、ワクチンへの拒否感は政府不信も一因なだけに、両者の溝は深まる一方だ。

 フランスでは21日、全国200カ所以上でデモが行われ、約17万6千人(内務省推計)が参加した。前週に比べて約4万人減ったものの、デモはバカンスシーズンにもかかわらず6週続いている。

 パリで参加したグラフィックデザイナーのエルベ・ゴチエさん(53)は「金持ちや大企業を優先する政権に不信を持っている。ワクチンはまだ実験段階なのに強制するとは無責任だ。お年寄りでない限り、コロナはインフルエンザのようなもの」と憤る。劇場照明係のエマニュエル・エダンさん(23)は「私は健康で持病もない。コロナより交通事故で死亡する確率の方が高い。政府はワクチンがなぜ必要か、きちんと説得もせず強制している。こんなやり方はおかしい」と訴える。デモ参加者には接種済みの市民も多く、「打たない自由は認めるべきだ」と訴えている。

 フランスでは9月15日から医療や介護施設で働く全職員に接種が義務づけられるほか、今月9日からは映画館や美術館に加え、飲食店や病院の利用(緊急時をのぞく)でも、接種や陰性結果を記録した「衛生パス」の提示が義務づけられた。23日に公表された世論調査では、34%がデモを支持し、54%が不支持だった。若い世代ほど、「衛生パス」への反発が強い傾向にある。

 フランスの1日の感染者数は1週間平均で約2万人。仏政府の分析では、5月31日~7月11日に国内で感染して死亡した926人のうち、78%にあたる720人が未接種だった。

 来年4月に大統領選を控えるマクロン氏にとっては、感染の制御は再選戦略の一環でもある。10月からはPCR検査を有料に切り替え、さらに接種圧力をかける方針だ。(パリ=疋田多揚)

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