同点の九回満塁、3ボールからの奪三振 長崎商エース

山口史朗
[PR]

(25日、高校野球選手権大会 神戸国際大付6-5長崎商)

 次の球がボールになるとサヨナラで負けてしまう。絶体絶命の場面でも、長崎商の城戸悠希に「弱気」のかけらもなかった。

 「絶対に抑える。絶対に逃げない。思い切り腕を振ろう」

 同点の九回1死満塁。カウント3ボールから、全力で速球を投げ込んだ。2球続けてストライクでフルカウント。最後は内角高めの129キロで空を切らせた。続く打者も右飛に打ち取ると、直後の十回、一時は勝ち越しとなる大坪迅の適時三塁打が生まれた。

 あきらめない――。昨秋の県大会で8強止まりだったチームは驚異の粘りを何度も見せ、全国の8強まであと一歩まで迫った。

 走者をつけての守備練習、打撃練習に時間を割いて「実戦力」を磨いた。城戸、田村琉登の「ダブルエース」はピンチでも平然と内角を突く。打線は長打が少なくとも、単打でこつこつ走者を進めた。

 長崎大会は5試合のうち、4試合が2点差以内でサヨナラ勝ちが2回。決勝は、選抜大会に出場した大崎に九回2死から追いついて延長戦で優勝を決めた。

 甲子園でも、1回戦は熊本工を逆転し、甲子園69年ぶりの勝利。2回戦では今春の関東王者、専大松戸(千葉)に完勝した。

 「あきらめない、下を向かない。いきいきとした表情で野球をしている生徒たちを頼もしく思った」。自身も長崎商OBの西口博之監督(60)は誇らしげに言う。九州最古の商業高校が見せた粘り強さは、103回目の甲子園にたしかな記憶を残した。山口史朗

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら