球に食らいついた 爆弾で足と右腕失ったイラクの16歳

菅沼遼
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 両足は義足、右腕に義手をつけた16歳のイラク選手が、自身初めてのパラリンピックに挑んだ。卓球女子のナジラハ・ダイエニ。3歳のころ、父の車に仕掛けられた爆弾が爆発。一命は取り留めたものの、両足と右腕を失った過去がある。目指してきた舞台での初戦を終え、「今はここにいることができて幸せ」と笑った。

 出場したクラス6は、シングルス立位で最も障害の程度が重たい種目だ。1次リーグ初戦は2019年の欧州王者のロシア選手が相手だった。

 義手についた杖で体を支えながら、台の近くに立つ。左右に振られる球に左腕を伸ばして食らいつき、第1ゲームは5連続得点を挙げるなどして先取した。だが、その後、3ゲームを連取され、逆転負けした。

 卓球を始めたのは9歳のころ。イラクではこの競技で唯一の代表選手だ。厳しい環境の中で練習を重ねてきた。敗れた後、「難しい試合でした。相手が素晴らしかった」と話した。コーチに「君も良くやったよ」と褒められると、照れくさそうにほほえんだ。「自分のベストは尽くせた。まだ試合があるので、力を出して、できればメダルを取りたい」(菅沼遼)