手持ちの服でオシャレに 有田川で教室

国方萌乃
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 新しく服を買わずに、一工夫して今ある服でオシャレを楽しもう――。そんなお財布にも環境にも優しいファッション教室を、和歌山県有田川町に住むスタイリスト、林晶子さん(35)が毎月開いている。アパレル業界で働いた経験が土台になっている。

 林さんは幼い頃からオシャレ好き。祖母や母に連れられて行く、大阪・ミナミの洋服店のショーウィンドーはキラキラしていた。大学卒業後、アパレル会社に就職したが、現実は思っていたものとは違っていた。

 業界には流行があり、店では新作を身につけなければならない。新しい服を買い続け、思い入れのない「かわいいだけ」の服が家にあふれた。同僚に相談すると、みな同じことを感じていた。

 まだ着られる服が廃棄されていること、流行の服を手頃な価格で提供する「ファストファッション」は、他国の人の低賃金の上に成り立っていることも知った。「持っている服を大切に着ることで、十分オシャレを楽しめると広めたい」と思った。

 会社を辞め、大阪の専門学校でファッションを学び直した。結婚、出産をへて2016年にスタイリストデビュー。地方議員らのスタイリングを手がける傍ら、18年にファッション教室「アポルテコーデマルシェ」を始めた。

 アポルテには、フランス語で「持ってくる」の意味がある。「今ある服を持ち寄り、新しいファッションを」との思いを込めた。

 教室は毎月第3木曜日に林さんの自宅である。業界の現状について林さんが説明した後、数人が持ち寄った服を欲しい人に譲ったり、アドバイスをしあって自前のファッションを披露したりしながら新たな発見を楽しんでいるという。

 今月19日には40代の女性2人が林さんの自宅で、30~50代の男女7人が大阪や兵庫からオンラインで参加した。子を持つ母親、医療従事者など背景は様々だ。

 流行に流されないためには、「自分」を軸に服を選ぶことが大事、と林さん。

 参加者は「シルバーの車に乗ってそう」「ピンクが似合う男性って素敵」と、互いの色のイメージを言い合った。その後、手持ちの服の中から言われた色に着替え、披露した。

 林さん宅で参加した自営業の女性(42)は、似合う色が「ピンク」と指摘されて驚いた。自分ではカーキなどのアースカラーを選びがちだ。林さんから淡いピンクのカーディガンを借り、羽織って見せると、かわいいと褒められた。「ピンク色を足すことで、持っている服のコーディネートが広がりそう」と喜んだ。

 林さんは「服の流行は狭い世界の中だけの話。今ある服を見つめ直して、自分のオシャレを楽しんで」と話している。

 教室は毎月第3木曜日の午前10時半から約1時間半。初回3千円。オンラインでも参加できる。申し込みは、林さんのインスタグラム(@stylist_arale)から。(国方萌乃)