あおり運転、100件摘発 厳罰化から1年、最多は大阪

田内康介
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 あおり運転を「妨害運転」と位置づけた改正道路交通法の施行から1年間で、あおり行為をしたとして同法違反容疑で警察に摘発された例は100件(96人)に上った。警察庁が26日にまとめた。うち93件でドライブレコーダーの映像があり、捜査に活用された。あおり運転が原因の人身事故は23件あった。

 改正法は昨年6月30日に施行された。きっかけは、2017年6月に神奈川県の東名高速で起きた事故だった。あおり運転の車に止められたワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦が死亡した。その後もあおり運転による被害は相次ぎ、車の走行を妨げることを目的にした一定の行為を「妨害運転」と道交法で新たに定めた。違反をした場合、最高で5年の懲役または100万円の罰金になる。

 対象となる違反行為は10類型ある。摘発件数をみると、急ブレーキ(24件)や急な進路変更(20件)、車間距離の不保持(16件)、蛇行運転や幅寄せなどの安全運転義務違反(16件)が多かった。自転車の摘発も4件あった。摘発されたうち、罰則がより重い「著しい交通の危険を生じさせる行為」は29件で、高速道路でほかの車を止めさせるといった例だった。

 都道府県別の摘発件数では、大阪の11件が最多で、埼玉が7件、北海道、警視庁、岡山が6件、兵庫が5件と続いた。容疑者の年代では40代(31人)、30代(19人)、50代(18人)、20代(14人)と続いた。

 あおり運転で相手をけがさせたり死なせたりしたとして、警察は危険運転致死傷容疑で30件を摘発した。うち7件は走っている車の前で止まるといった内容で、昨年7月に施行された改正自動車運転死傷処罰法で妨害運転に加えられた行為だった。

 あおり運転による人身事故のうち重傷事故は2件、21件が軽傷事故だった。愛知県小牧市では今年1月、中学生が運転する原付きバイクが少年の原付きバイクに後方から接近され、交差点に進入した際にトラックと衝突した。中学生は重傷を負い、6日後に死亡した。(田内康介)

あおり運転(妨害運転)の摘発状況

 急ブレーキ            24件

 急な進路変更           20件

 車間距離の不保持         16件

 幅寄せや蛇行運転         16件

 高速道路での駐停車        9件

 乱暴な追い越し          6件

 不必要なクラクションの反復    5件

 対向車線からの接近や逆走     3件

 低速度での走行          1件

 ハイビームの継続、点滅      0件

※昨年6月30日の施行から1年間。警察庁まとめ