認知症の妻が笑った ゼリーに「描く」朝ごはん

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才本淳子
【動画】認知症の妻につくる「絵手紙」のような朝ごはん=才本淳子撮影
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 午前5時半。

 愛知県大府市の鳥飼憲一さん(74)宅の台所に電気がともる。毎日1時間ほどかけて、朝食を作る。

 「この時間が好きなんです。夢中になれる時間」

 前日に液体状の栄養剤をゼラチンで固めてゼリーを準備。その上に子どもや動物を、ジャムや果物、野菜、あんこなどで描いていく。

 たとえば女の子。包丁の刃先で食パンを顔の形に切り、菜箸の先につけたイチゴジャムでほっぺや目元を染める。

 「目は、のりやあんこ、いろいろ試したんですけど、黒豆が一番。キラッとして表情が生き生きする」

 できあがると、妻の美津代さん(73)が食卓の前に座るのを手伝う。

 2人は1974年に結婚した。

 熊本県出身の憲一さんは、就職のため10代で愛知県に移った。兄の紹介で同郷の美津代さんと出会った。優しく、芯の強いところにひかれ、2人の男の子に恵まれた。

 美津代さんに異変を感じたのは9年ほど前だ。

 老後は2人でいろいろなところに行きたい、と計画していた矢先だった。

 買い物に一緒に出かけると…

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