中村さん描いた防御壁、撤去の恐れ タリバンがアピール

アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンで首都カブールを占拠し、権力を掌握したイスラム主義勢力タリバンが、カブール市内にあるテロ対策の壁を撤去し始めた。交通や景観を妨げてきた壁を取り除くことで、治安が保たれていることを市民にアピールする狙いがある。

 カブール中心部では、テロの標的となってきた官庁や大使館、国連施設などを取り囲むように、高さ3メートルほどの防御壁が連なる。政府高官の自宅周辺の道はブロック塀でふさがれ、交通の妨げになってきた。

 壁はもともと、タリバンなどの自爆テロや襲撃を防ぐために設置されたものだ。タリバンは車爆弾を爆破させて壁を壊し、敷地内に侵入するようになったので、壁は徐々に厚く、高くなっていた。

 今月15日にタリバンが権力を掌握するに至り、テロがやんだ。タリバン傘下に入ったカブール市役所の幹部は、地元メディアに「治安の懸念がなくなった」「全ての防御壁を取り除く」と語り、クレーン車を出して撤去を進めている。

 カブール市内には、2019年12月に殺害されたNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師の肖像画を描いた壁が少なくとも二つあり、これらも撤去される可能性がある。(バンコク=乗京真知