「まるで自己否定」 カツセマサヒコさんが語るSNS
聞き手・興野優平
2010年代前半、当時はやっていた「ノマドワーカー」にあこがれて、パワーポイントしか使えないマッキントッシュを抱えていた若者がいました。後にウェブライター、編集者を経て小説家となったカツセマサヒコさん。かつて、自身の強みとしていたSNSとの向き合い方が、変わりつつあるといいます。
――ツイッターのフォロワーはいまや14万人、SNSを武器にライター・編集者としてのキャリアを切り開いてきました。
最近、インターネットから少し距離を置きたいと思うことが増えています。
好きな音楽や人がいろんな形で否定されるのをずっと見続けるのがいまのインターネットだなと感じています。手放しで面白いと思った作品が、ある方面からは酷評されている。こちらが知りたいわけでもないのに、すべての作品の賛否が目に見えてしまうことに、まるで自己否定されているような感覚を受ける時があります。
人や作品のことを完全に理解…