「未来社会の実験場」ひと足先に 万博会場で実験始動

井東礁
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 「未来社会の実験場」をコンセプトに掲げる2025年の大阪・関西万博。その会場となる人工島の夢洲(ゆめしま)(大阪市)で26日、ひと足早く新技術の実証実験が始まった。パビリオン(展示館)などが建設される前の広い空き地を使い、民間企業や研究機関が「空飛ぶクルマ」など9件の技術を試す。実験を支援する大阪商工会議所によると、一部は万博本番で実際に使われる可能性がある。

 この日は一連の実験の第1弾として、大阪ガスが独自の冷却素材「SPACECOOL(スペースクール)」の性能を確かめる実験を始めた。地面が熱を放出して温度が下がる「放射冷却」と同じ仕組みを使った素材で、これまでの研究では表面温度が外気より最大6度下がったという。

写真・図版
大阪ガスが開発した冷却素材フィルムが貼られたトラック。夢洲で荷台内の温度などを計測している=2021年8月26日午後2時45分、大阪市此花区、井東礁撮影

 実験では、スペースクールを貼ったトラックと通常のトラック2台を並べ、荷台の温度変化などを比べる。荷積みをする人の負担軽減や、積み込む保冷剤を減らせる効果が期待できるという。実験は10月29日までの予定。同社の担当者は「パビリオンでの採用をめざしたい」と話す。

 実験はほかに、大阪メトロによる自動運転車両の安全性などの検証や、米リフト・エアクラフト社による空飛ぶクルマの飛行体験などを予定している。会場の使用料を含む実験費は各企業が負担する。大商と大阪府・市でつくる推進チームは、広報や事業化に向けた支援を担う。井東礁