鹿児島の海岸に1億年前の翼竜化石 「薩摩翼竜」と命名

白石昌幸
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 鹿児島県長島町教育委員会は26日、同県内で初めてとなる翼竜の化石が同町獅子島の海岸で見つかったと発表した。化石は中生代白亜紀(約1億年前)のもので脚の一部とみられ、愛称は「薩摩翼竜」と命名された。近くの地層では2004年に首長竜の化石も見つかっており、研究チームは近接した地層で発見された事例としては東アジアで最古級としている。

 化石は長さ約7センチ、太さ約2・3センチの楕円(だえん)筒形。パナソニックに勤める傍ら、恐竜などの化石発掘や研究論文の発表を続けている宇都宮聡さん(51)=大阪府東大阪市=が20年11月19日に、獅子島の海岸にある白亜紀の地層「御所浦層群」で発見した。東京都市大学の中島保寿准教授(古生物学)らの研究チームが再調査で化石を分析した結果、翼竜の翼(前脚)か後ろ脚の一部分の骨化石と判明したという。

 CTスキャンの解析で、表面は厚さ1~2ミリの骨で覆われ、内部は石化した泥が詰まっていた。生存時の骨内部は空洞で軽量化されていたとみられる。同じ時代に生息していた、翼を広げた長さが約4~5メートルの翼竜「アンハングエラ」に匹敵する大きさと考えられるという。

 宇都宮さんは04年、今回の発見場所から約20メートル離れた地層から九州初の首長竜(通称・サツマウツノミヤリュウ)を発見している。首長竜類と翼竜類が近接した地層から見つかった事例としては、東アジア最古級という。

 今回の発見の学術的な意義について、オンラインで記者会見した中島准教授は「白亜紀中期ごろの超温室と言われる温暖な時代における太平洋の生態系の一端が明らかになる発見だ」などと述べた。宇都宮さんは「最初はアンモナイトの化石と思っていたので翼竜と分かりびっくりした。地元の人に広く知ってもらいたいという思いを込めて愛称を薩摩翼竜と名付けた」と話していた。

 化石は長島町に寄贈され、今後は鹿児島県立博物館(鹿児島市)で常設展示される予定。(白石昌幸)

 【翼竜類】 恐竜が繁栄した時代(中生代)に生息していた翼を持つ爬虫(はちゅう)類のグループ。優れた飛翔(ひしょう)能力を生かして狩りをする「空の覇者」として、三畳紀後期から約1億6千万年の長い期間繁栄したが、白亜紀末に絶滅したとされる。