新幹線にテレワーク車両 JR東海・西が導入

初見翔
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 JR東海JR西日本は26日、東海道・山陽新幹線を利用するビジネス客向けにテレワークをしやすい車両を導入すると発表した。新型コロナウイルスの影響で乗客数が激減するなか、主要な顧客層であるビジネス客をつなぎとめる狙いがある。

 10月から新型車両「N700S」の7号車と8号車で、通常より通信容量を2倍に増やしたWiFiを無料で使えるようにする。車内でもウェブ会議などをしやすくするためだ。JR東海は来春以降、両車両をつなぐデッキ部にある喫煙室も打ち合わせなどに使えるスペースに衣替えする。

 また、従来型の車両でも10月からは「のぞみ」の7号車をテレワーク専用の「S Work(エスワーク)車両」と銘打ち、パソコンやスマートフォンなどを車内で気兼ねなく使えるようにする。料金は普通車指定席と同じで、インターネット予約の「EXサービス」でのみ販売する予定だ。

 新型コロナの感染拡大で新幹線の利用者は激減している。JR東海が同日発表した8月1~25日の東海道新幹線利用者は、コロナ前の2019年に比べて32%まで落ち込んでいる。いまは感染対策で外出自粛の要請が続いていることが大きいが、テレワークやウェブ会議の普及で、感染収束後も出張目的の利用者がもとに戻るかは不透明だ。

 このため、各社とも、移動中でも仕事がしやすい環境を整えることでビジネス客離れを防ぎたい考えだ。JR東海の金子慎社長は会見で「働き方自体が時間や場所を選ばなくなっている。利用者のニーズを踏まえさらに工夫していきたい」と話した。

 同様な試みはJR東日本JR九州も進めている。通常は認めていない座席での通話もできる専用車両を今年に入り期間限定で導入。通信機器も貸し出した。JR東日本が6~7月に行った試験では延べ4千人が利用したといい、対象をいまの東北新幹線のみから北陸新幹線などに拡大することも検討している。(初見翔)