臨時休校が引き金、学習格差が継続か 再休校への対応は

新型コロナウイルス

岩沢志気
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 コロナ下の臨時休校中に学習環境の格差が生じ、学校再開後も解消していない可能性が明らかになってきた。三菱UFJリサーチ&コンサルティングと日本財団が今夏発表した調査結果によると、年収400万円未満や一人親の世帯で、勉強時間やテレビやスマホを見る時間への影響が出ている。調査担当者は「(差の積み上げが)ボディーブローのように効いていく」と子どもたちの学習環境に危機感を示している。

 調査は今年3月、全国の小学生から高校生の子どもがいる世帯の親4千人を対象に実施した。コロナ流行前(2020年1月)、全国的な臨時休校期間(同年5月)、臨時休校後(21年1月)の三つの時期について、1日の平均的な勉強時間や、テレビやゲームなどを見る時間を示す「スクリーンタイム」について質問。家族の類型や世帯年収別に分析した。詳細版を7月に発表している。

 まず世帯類型別にみると、休校中の勉強時間の落ち込みは、夫婦世帯や三世代世帯で各1・3時間。ひとり親世帯では1・6時間だった。

 スクリーンタイムは、休校中にいずれの世帯類型でも増加している。ただ、夫婦世帯が0・8時間増、三世代世帯が1・0時間増で、一人親世帯は1・2時間増だった。休校後も高止まり傾向が見えている。

 調査を担当した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平・主任研究員は「親が勉強や生活を細かく見てあげられているかの差が臨時休校下では直接的に出てしまったのではないか」と指摘する。そのうえで「一人親世帯や共働き世帯だと、子どもを見る余裕はなかなかない。一人でスマホやゲームをする時間が長くならざるを得ない」と話す。

 年収別分析では、より低い所得の世帯がダメージを受けている様子もうかがえる。

 勉強時間を休校前と休校中で比べると、年収800万円以上が1・1時間減なのに対し、400万円未満は1・5時間減っていた。また、休校前と休校後の比較では、400万円以上の世帯では勉強時間が微増していたが、400万円未満の世帯は変化がなかった。

 小林さんは「学習アプリのような民間サービスを休校中に使った家庭が、学校再開後も使い続けているのではないか。一方で収入の低い世帯はあまり使っていなかった」という。

 最近ではデルタ株の急拡大で、再び学校休校を決める自治体も出てきている。小林さんは「休校になることも織り込みながら準備を進めた方がよい。そのためにも、休校にするなら早めに決めて、先生がオンライン学習などの準備をする時間を確保できるようにした方がよいのではないか」と話す。(岩沢志気)

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