近江、脳裏よぎった3年前の記憶 機動力でサヨナラ勝ち

大坂尚子
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(26日、高校野球選手権大会 近江7-6神戸国際大付)

 九回、4点あった近江のリードがなくなった。その裏の攻撃。1死から死球で出た明石楓大(ふうた)は、気合を入れた。

 「外野の間を抜けたら、絶対に本塁にかえってやろう」

 次打者の春山陽生の打席で、サインはランエンドヒット。スタートを切ると、打球は右中間へ。深い当たりではなかったが、迷わなかった。三塁を蹴り、本塁へ頭から飛び込んだ。返球よりわずかに自分の方が早い。サヨナラ。ベンチへ向かって左手を突き上げた。

 3年前、中学3年の夏。近江への進学を心に決めて、金足農(秋田)との準々決勝をスタンドで観戦した。九回に相手の2ランスクイズでサヨナラ負けした試合だ。この日も、ひっくり返されそうになった。「まさか似たような展開になるとは……」

 50メートルは6秒台前半。多賀章仁監督からは「お前が引っ張れ」と言われるほど走塁には自信がある。四回1死一、三塁でも、重盗で本塁を陥れた。あのとき、超えられなかった4強への壁。「このチームなら絶対やれると信じてやった。素直にうれしい」。見事、破った。(大坂尚子)