中村哲さん開設の診療所が再開 アフガン政変後に休止

佐々木亮
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 アフガニスタンで医療や灌漑(かんがい)、農業支援に取り組むNGO「ペシャワール会」(福岡市)は、政情の混乱を受けて現地での活動を休止していたが、21日から診療所を再開したと明らかにした。そのほかの活動については安全を優先し、状況を見守りながら再開をさぐるとしている。

 アフガンでは、同会の現地代表を務めた故中村哲医師が率いた現地のNGO「PMS」(平和医療団・日本)が、ペシャワール会の支援を受けて活動している。今回の政変を受けて、すべての活動を15日から休止し、職員は原則自宅で待機していた。

 再開したのは東部ナンガルハル州のダラエヌール診療所。中村さんが1991年に開設した。医師や看護師ら14人が勤務し、月3千~4千人ほどを診ている。ここしばらくは新型コロナが疑われる症状を訴える来院者が増え、普段の約1・5倍の患者を診ていた。マラリアや腸チフスがはやる時期にも当たり、再開を求める地元の声が多く、安全を確認して再開を決めた。

 一方、農産物や灌漑用水路周辺の樹木への水やりも地元の住民や作業員の手で続けられているという。

 現地ではこの間も干ばつが繰り返されている。村上優会長は、中村さんの「水が善人・悪人を区別しないように、誰とでも協力し、世界がどうなろうと、他所に逃れようのない人々が人間らしく生きられるよう、ここで力を尽くします」という言葉を引用し、「いまアフガンに必要なことは命をつなぐ行動。現地の求めに応じて活動を続ける」と話している。(佐々木亮)