第5波まっただ中での総裁選 「選挙やっている場合か」

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堀之内健史、矢島大輔 大久保貴裕
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自民党総裁選への出馬を決め記者会見を開いた岸田文雄前政調会長(右)=2021年8月26日午後、東京・永田町、上田幸一撮影
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 自民党総裁選の日程が26日決まり、衆院の解散・総選挙を見据えた政治の季節が幕を開けた。新型コロナの「第5波」さなかの選挙戦に、知事らからは「空白を生じさせないで」と注文がつく。コロナ禍に直面する医療従事者らは、現場と永田町との距離を嘆く。

 「感染者が最大レベルのいま、選挙をやっている場合なのか。先にずらせないのか」。神戸市西区訪問看護ステーション「秋桜」を経営する社会福祉士の龍田章一さん(36)は、総裁選の重要性は理解した上で、延期すべきだと言う。

 第4波で訪問した神戸市内の患者たちは、重症に近い状態でも入院できなかった。第5波の中の26日も、30~90代の患者の家を3軒回った。病床は埋まってきており、「来週にもかなり厳しい状況になる」とみている。

 この1年、危機的な状況が続いたにもかかわらず、国会では与野党が対立に終始し、建設的な議論がされなかったと感じる。「ロックダウンなど、強い感染防止のための規制ができたのでは」。感染者を減らすための有効な対策ができる政治を望む。

「こっちは将来考えられへん」

 大阪市西区居酒屋「1920(ジュークトゥエンティー)」は休業中だ。店主の奥西勇太さん(46)には総裁選が遠く感じる。

 総裁選に出る菅義偉首相は25日の記者会見で、「明かりははっきりと見え始めている」と発言した。奥西さんは言う。「危機感がゼロ。こっちは将来のことなんて考えられへん」

 昨年から時短営業と休業を強いられ続けてきた。政府のコロナ対策は飲食店に焦点を当ててきたが、感染拡大は収まらない。「悪者をつくって、逃げ道をつくっているように見える。ときには『この対策は悪かった』と言える、責任から逃げない政治家が出てきてほしい」(堀之内健史、矢島大輔)

 具体的なコロナ対策のかじ取りを担う知事らは26日、総裁選で対策が停滞することがないよう求めた。

「空白は勘弁して」「政局に明け暮れるな」。コロナ対策の前面に立つ知事らは厳しく注文します。

 中村時広・愛媛県知事は、「…

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