捜査当局の違法性どう判断 無罪事件できょう控訴審判決

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新屋絵理
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 29年間の収監後に再審公判で無罪が確定した桜井昌司さん(74)が、冤罪(えんざい)の責任追及のため国や茨城県を訴えた訴訟の控訴審判決がきょう27日、東京高裁で言い渡される。取り調べ手法など当時の捜査を違法と認めた一審判決を、高裁がどう評価するのかが注目される。

 事件は1967年8月に茨城県利根町布川(ふかわ)で起きた。大工の男性(当時62歳)が自宅で絞殺されたうえ約10万円が奪われ、近くに住む桜井さんが殺害を「自白」したとして強盗殺人罪で起訴された。78年に無期懲役となったが、2005年に再審開始が決まり、11年に無罪が確定。獄中生活は、29年間におよんだ。

 「冤罪を起こした責任の所在を明らかにしたい」。そう考えた桜井さんと弁護団は12年、国と県に国家賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

捜査員が虚偽証言は違法、一審判決認める

 主な争点は、刑事手続きの段階に分けて①警察や検察の取り調べは違法か②検察の起訴は違法か③公判での警察や検察の対応は違法か――だ。

 一審・東京地裁は19年の判決で、①について、茨城県警の捜査員が桜井さんに「母親が早く自白するようにと言っている」「目撃証言がある」とうそをついて「自白」を引き出したと判断し、違法性を認めた。

 ②は、検察は警察の違法な取り調べを知っていたとはいえないと述べ、起訴は違法ではなかったとした。

 ③は、捜査員らが公判で「故意に虚偽の証言をした」と認定。捜査員らは、桜井さんの取り調べ状況を録音したテープが「1本しかない」と証言したが、実際はもう1本あったためだ。さらに検察についても、目撃者の調書など重要証拠の開示を公判で拒んだことを違法と認定。国と県に対し約7600万円の賠償を桜井さんに支払うよう命じた。

控訴審の争点は?

 捜査の違法性などを明確に認…

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