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海渡り欧州めざすアフガン人 タリバン伸長で後を絶たず

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イスタンブール=高野裕介
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 難民や移民が欧州へと渡る主要な密航ルートのエーゲ海で今年、トルコの沿岸警備隊などが7月上旬までに救出した7161人のうち、約3分の1をアフガニスタン人が占めていることが、トルコ当局への取材でわかった。アフガン情勢の緊迫は高まっており、戦火や迫害を逃れて欧州を目指す人の流れが今後さらに加速する可能性もある。

 イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタンからは、パキスタンやイランを経由してトルコに入国した後、欧州の玄関口となるギリシャを目指す人も多い。密航業者に多額の金を払ってエーゲ海の島々に渡ったり、木々が生い茂る陸路を越境したりする。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ギリシャにたどり着いた人は、2015~17年は内戦が続くシリアの出身者がだんとつに多かった。ところが18年ごろからアフガニスタン人が取って代わり、今年は海を渡った人の半数近くをアフガニスタン人が占めている。トルコ当局によると、19、20年にエーゲ海で救出したアフガニスタンの人たちの数はシリアの人々と拮抗(きっこう)していたが、今年はシリア人の2倍以上になったという。

 アフガニスタンでは今夏、20年前に起きた米同時多発テロ事件をきっかけに駐留した米軍が完全撤退する。これを好機とみたタリバンは各地で攻勢を強め、今年上半期の市民の死傷者数は戦闘が激しかった16~18年の水準に逆戻り。8月中旬、タリバンは首都カブールに入り、権力を掌握した。26日にはカブールにある国際空港近くで過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織によるとみられる爆破テロ事件が起き、混迷は深まるばかりだ。

 カブール郊外の農村出身のサイド・ハフィズ・サダトさん(43)は今年5月、約40人を詰め込んだゴムボートでエーゲ海を密航し、多くの難民や移民が押し寄せるギリシャ東部のレスボス島に上陸した。

 20年前の米軍の攻撃でタリ…

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