落語で見送った親友、愛妻のための葬儀

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それぞれの最終楽章・「一人称」の死へ(1)

僧侶・高橋卓志さん

 十数年前、そば職人だった僕の親友Oさんの葬儀を執り行いました。もともと松本市内で有名な料理屋を営んでいた男性でしたが、その後に山奥へ引っ込み、小さなそば屋の主人になったんです。

 彼が打つそばはとにかく絶品。裏山で採った山菜やきのこを天ぷらにして添えて信州の自然の味で楽しませ、都会からもファンが足を運ぶ店でした。

 そんなOさんが60歳を過ぎたころ、がんが見つかりました。どんな治療をしても治らず、僕は病室に呼ばれ、ベッドの上に正座したOさんに「多分、近い。高橋さんすべてよろしく頼む」と言われました。死の3日前です。職人気質で自分の仕事に一切の妥協を許さなかったOさんの、いかにも彼らしい態度でした。

 檀家(だんか)ではなかった…

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