義足にかかる力は体重の10倍、技術を駆使して空中へ

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榊原一生
【動画】パラ走り幅跳び・山本篤の技
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 長身で若い世界のロングジャンパーが台頭する中、167センチの山本篤(39)は体格面で劣る。だが、それを覆すだけの跳躍技術が彼を支えている。28日の東京パラリンピック男子走り幅跳び(義足T63)で、2008年北京大会、16年リオデジャネイロ大会に続く三つ目のメダルを狙う。

 走り幅跳びで最も重要なのは、助走で得たスピードをいかに効率よくジャンプにつなげられるか。山本は自身の強みについて「助走の力を跳躍に変換する能力が高い」と語る。自己ベストは19年5月にマークした6メートル70。本番では7メートル超えを狙う。

 跳躍では踏み切るブレード(カーボン製義足)に、どれだけ大きな力を加えられるかがカギだ。山本は元々は義足とは逆の足で跳んでいた。ところが、踏み切りが合わず仕方なく義足で跳んだところ「いい記録が出た」。それ以来、義足で飛び続けている。

 踏み切りでは、最後の一歩を、体のやや内側に踏み込ませる。加重を一点に集中させて、ブレードをぐっとたわませるためだ。

 その力は体重の10倍とされ、山本の場合は約600キロ。そして、ここからの跳び上がりに、健常者との違いがはっきり出てくる。

 ドイツ・ケルン大の研究によると、健常者は踏み切り時に大きなブレーキがかかるのに対し、ブレードはその力が小さい。さらに、たわませたブレードが元に戻ろうとする力で加速が生まれる。健常者に比べて義足が「有利」とされる最大のポイントだ。

 山本はたわんだ一瞬の「間」…

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