米国対テロは再び泥沼か うつむく大統領、焦り鮮明に

有料会員記事アフガニスタン情勢

ワシントン=園田耕司大島隆
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 「テロリストは我々を邪魔することはできない。我々は退避作戦を継続する」

 バイデン米大統領は26日の演説でこう力を込めた。バイデン氏は米軍高官たちと退避作戦を協議。高官たちは「(作戦の)任務を完了できるし、完了させなければいけない」と明確に答えたという。

 バイデン氏はさらに「今回の攻撃を行った者たちへ」として、「我々は許さない。我々は忘れない」と強調。「代償を払わせる」と語気を強めた。テロ攻撃を行った過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織の拠点や指導者に報復攻撃する作戦計画の策定を米軍に命じたことを明らかにした。ドローンなどを使った空爆攻撃を検討しているとみられる。

 ただ、政権肝いりの退避作戦で多数の米軍兵士が犠牲となったことは、バイデン政権発足以来最大の政治的窮地を迎えたと言ってもよい。バイデン氏が米軍撤退を推し進めたのは「国益のためにならない」(同氏)戦争でこれ以上の若い米軍兵士の犠牲を防ぐという大義があった。批判を受けても8月末の退避作戦完了にこだわったのも、空港周辺でテロ攻撃を画策しているという情報を米情報機関がつかんだことで、作戦が長期化すれば、米軍兵士がテロ攻撃にさらされるリスクが高まることを理由にあげていた。

 今回の13人という米軍兵士の死者数は、2011年8月に米軍ヘリが撃墜されて30人の米軍兵士が死亡して以来、アフガニスタンでの一日の死者数としては最も多い。サキ大統領報道官は「バイデン大統領の任期中で、最悪の出来事」と表現した。

 今回のテロ攻撃をきっかけに、米国が再び中東周辺に足を取られていく恐れも出てきた。もともとバイデン政権はアフガニスタンから撤退することで、米国の軍事力を「唯一の競争相手」と位置づける中国に対して集中させるという狙いがあった。しかし、報復宣言に見られるように、バイデン政権が再びテロとの戦いに引きずり込まれていく可能性もある。実際、バイデン氏は26日、「追加の派兵が必要であれば、私は認める」と語った。

バイデン大統領、責任転嫁の言葉の後に質問打ち切り

 期限が迫る退避作戦は、さら…

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