正倉院展は10月30日から 笛吹がはいた「靴下」展示

岡田匠
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 奈良国立博物館奈良市)は27日、第73回正倉院展を10月30日~11月15日に開くと発表した。初出陳8件を含む55件を出陳する。このうち、円い胴の絃(げん)楽器「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」は奈良博では25年ぶり、蓮華(れんげ)形の香炉台「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」は28年ぶりの公開。

 舞楽装束の一つで、今の靴下にあたる「笛吹(ふえふきの)襪(しとうず)」も並ぶ。752年の東大寺大仏開眼供養会で演じられた伎楽(ぎがく)の伴奏者の笛吹がはいたという。宮内庁正倉院事務所(同)が昨年度に完成させたその模造品もあわせて出陳する。

 事務所によると、模造品は底の長さ27・5センチ、丈18センチ。生地は、2001年度に織物会社「川島織物セルコン」(京都市)が織った絹織物「紫地花文錦(むらさきじかもんのにしき)」を使った。この絹織物は、皇居内の紅葉山御養蚕所で育てられた日本産種の小石丸繭から得た絹糸などを使い、皇居内に自生していた株から育てた日本茜(あかね)などを染料にして染めたものだ。この生地をもとに、染織文化財の修理を手がける「染技連(せんぎれん)」(同)が制作した。

 田中陽子・保存科学室長は「奈良時代の人たちがどのような生地を使ったのか調べ、当時の作り方や着用の仕方を再現した貴重な模造品です」と話す。

 コロナ対策で、事前予約制。1時間あたりの入場者数を約500人に制限する。当日券はなく、9月25日午前10時からローソンチケットで前売り日時指定券(一般2千円など)を販売する(先着順)。問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)。(岡田匠)