高温意識し光った冷静な判断 パラ陸上5千M、銅の和田

松本龍三郎
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男子5000メートル(視覚障害T11)

 灼熱(しゃくねつ)の国立競技場で、ベテランの和田伸也は冷静に展開を読んでいた。「タフな環境にしてはペースが速い」。44歳は焦らず、10人の集団の後方を走った。

 高温多湿の8月の東京は何年も前からシミュレーションした。目指すは「私は暑いのが好きだし、気候に対応できない海外選手を早めにふるい落としたい」。

 思惑通り、落ちてくる海外勢をかわしながら、徐々に前へ。給水を確実に取って終盤に備えた。

 「最後はエキサイトして100%の力を出せた」。スパート合戦では唐沢剣也に後れを取ったが、前を追い表彰台は確保した。ゴール後は唐沢を祝福し「メダル取れて、おめでとう」。

 過去2度のパラリンピックは1500メートル、5000メートル、マラソンに出場し、2012年ロンドン大会の5000メートル銅メダルが最高成績だ。今回同じ色のメダルとなり、「金メダルが取れず悔しい」と言い切った。

 前回リオデジャネイロ大会でアフリカ勢に太刀打ちできなかった経験から、この5年間はスピードを磨いてきた和田。3日後の1500メートルで、今度こそ頂点をつかむ。(松本龍三郎)