菅義偉首相の自民党総裁任期満了に伴う9月29日投開票の総裁選に向け、立候補を表明した岸田文雄前政調会長が27日、派閥領袖(りょうしゅう)らを訪問するなど活動を本格化させた。党執行部の「刷新」を掲げて攻勢をかける岸田氏に対し、首相周辺や執行部は危機感を強めている。
27日午後の自民党本部。岸田氏が立候補の報告のために訪ねたのは、首相の再選支持を明言している二階俊博幹事長だった。
総裁選への立候補を表明した26日の記者会見で「総裁を除く党役員は1期1年、連続3期までとし、権力の集中と、惰性を防いでいきたい」と述べ、執行部の刷新を掲げた岸田氏。歴代最長の約5年にわたって幹事長ポストに就く二階氏の「続投」を事実上否定したものだった。
約10分の会談後、岸田氏は…
【視点】今回の自民党総裁選で不透明感が漂う要因はいくつもありますが、その一つに派閥の引き締めが届かない党員・党友投票の存在があります。地方票とも言われる党員・党友投票の得票数は国会議員票と同数になるようにドント方式で配分されます。つまり半分は党員・