米の量的緩和、「長く待たず縮小を」 元インド中銀総裁

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ワシントン=青山直篤
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 米連邦準備制度理事会(FRB)高官らが集う8月末の経済政策シンポジウムでは、パウエルFRB議長が、コロナ危機への対応で進めてきた「量的緩和」の縮小を年内に始める方向を打ち出した。2005年のこのシンポで、リーマン・ショックを生むことになるリスクをいち早く警告し、注目された経済学者ラグラム・ラジャン氏に、危機からの本格的回復に向けた展望と課題を聞いた。

 ラグラム・ラジャン氏 国際通貨基金(IMF)チーフエコノミスト、インド準備銀行(インドの中央銀行)総裁などを経て、シカゴ大学経営大学院教授。

 ――力強い回復の途上にある米国では、株価が史上最高値圏にあるうえ、長期金利も低い(国債価格は高い)状態で抑えられています。

 「FRBの金融緩和で国債の金利が抑えられているため、株式など他の資産を買ってより高い利回りを追求する動きが出ていることを示す。債券も株も値上がりするこの好循環は、どちらの価格も下がる悪循環に変わりうる。リスクは蓄積しており、FRBは長く待ちすぎることなく量的緩和の縮小に踏み切るべきだ」

 ――米議会・政権は巨額の経済対策でさらに景気の刺激を重ねる姿勢です。

 「この規模の財政出動が続けば、FRBが無限に緩和策を続けるかのような姿勢をとることはさらに難しくなる。FRBがいずれ利上げに踏み切れば、政府には、積み上がった債務に対する利払いの負担が大きくのしかかることになる」

 ――リーマン後の著書「フォールト・ラインズ 『大断層』が金融危機を再び招く」では、米国内の格差や世界経済の不均衡に警鐘をならしました。コロナ後も「大断層」は生じているのでしょうか。

 「もちろん。まず、先進国で…

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