「矛盾ないように供述変えた」 検事の調べは違法と判断

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村上友里、林瞬
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 茨城県利根町布川(ふかわ)で1967年に起きた強盗殺人事件で無期懲役が確定して29年間収監され、再審で無罪となった桜井昌司さん(74)が冤罪(えんざい)の責任追及のため国と県を訴えた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。村上正敏裁判長は、警察の取り調べを違法とした一審判決を維持しつつ、新たに検察の取り調べも違法だと認定。一審とほぼ同額の約7400万円の賠償を国と県に命じた。

 控訴審では、警察と検察の対応が、取り調べや公判など刑事手続きの段階ごとに違法かどうかが争点だった。

違法な調べなければ「逮捕、起訴されなかった」 東京高裁が認定

 高裁判決は、一審・東京地裁が違法性を認めなかった水戸地検の検事の取り調べについて、「高圧的で虚偽の事実を告げて自白を強要した」と指摘した。自白内容を「客観的事実と矛盾が生じないようにした」として、違法性があると述べた。桜井さんとともに強盗殺人罪で起訴された杉山卓男さん(2015年死去)への取り調べも、一審の判断を変えて違法性を認めた。

 茨城県警の取り調べ対応では、殺害を認めない桜井さんに捜査員が「ポリグラフ検査で全てうそだとわかった」と伝えたのは虚偽と判断。「自白させるために心理的動揺を与えた」とし新たに違法性を認定した。

 そのうえで高裁は、こうした違法捜査で引き出した「自白」がなければ、「逮捕状を請求できず逮捕や起訴はされなかった」と説明した。警察と検察の共同不法行為が成立すると判断した。

 一方、一審が違法と認めた①検察が公判で重要証拠の開示を拒否②捜査員らが公判で故意に虚偽証言――などの争点は「判断するまでもない」とだけ述べ、一審に続き国と県に賠償責任があるとの結論を導いた。

 水戸地検は判決後「主張が認められなかったのは遺憾」、茨城県警は「判決を精査する」とコメントした。桜井さんは会見で「当たり前のことが当たり前に認められるまで(事件発生から)54年かかった。涙が出そう」と語った。(村上友里、林瞬)

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