揣摩・圭角…猫に学ぶ難言葉 1日に写真1枚+1語で

荻野好弘
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 猫の写真に癒やされながら文学作品に出てくるちょっと難しい言葉を学ぶ本を、愛知県一宮市の写真家と東京在住のフリーライターが著した。言葉の意味に合うような猫の姿を載せていて、「猫好きな人も文学好きな人も気軽に読んで」と著者たちは話す。

 写真家の小森正孝さん(45)は大阪芸大で写真を学び、印刷会社所属のカメラマンを経て、約10年前から猫の自由気ままな姿に焦点をあてている。

 「1年間、猫の写真を毎日1枚見られるような写真集を出したい」と、旧知のライターのペズルさんに持ちかけたことが、出版のきっかけになった。

 本は「366日のにゃん言葉」(三才ブックス、税込み2640円)。文学作品の一節から「難言葉」を取り出して1日1語ずつ、いろんな表情、態度を見せる猫の写真と組み合わせて解説する。

 例えば「揣摩(しま)」という言葉は三島由紀夫の「金閣寺」を引き、「事情を推し量る」と意味を説明。植木鉢の中を何があるのかと、のぞき込む猫の写真をつけた。「圭角(けいかく)」は田山花袋の「田舎教師」からピックアップし、子猫をにらむような猫の写真をあてた。「言葉や行動に角があって円満でない」という意味だ。

 「文学作品を読み、途中で難しい言葉が出てきて読むのをやめた経験がこの本のもとになっている」とペズルさん。数千の言葉の中から、「画餅(がべい)」「粗忽(そこつ)」「くだくだしい」といった366語を174作品から紹介している。小森さんの写真は飼い猫や野良猫を撮ったもので、1万5千点以上から選んだという。

 A5判で408ページ。猫の写真集でもあり辞典でもあるような分厚い本だ。小森さんは「どちらかといえば文学好きの人向けかな。リラックスして読んでもらえれば」。ペズルさんは「猫好きな人は文学に関心を持ち、文学が好きな人は猫を好きになるきっかけにもなればいい」と話す。(荻野好弘)