念願の世界一でも悔しい 佐藤友祈「次は金と世界記録」

松本龍三郎
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(27日、東京パラリンピック2020 陸上男子400メートル〈車いすT52〉)

 「伸びてきて最後差しきれるか、差しきれずに終わるのか――。みなさんをドキドキ、ワクワクさせるレースを見せたい」

 手に汗握る展開は、大会前に自ら予言した通りだった。念願のパラリンピックチャンピオンの称号をつかんだ佐藤友祈は、右拳を固めて歓喜した。

 意識した相手はただ一人。前回リオデジャネイロ大会で2冠をさらっていったレイモンド・マーティン(米国)。7レーンの佐藤に対して、内側の4レーンからマーティンが得意のスタートダッシュでプレッシャーをかけてきた。

 ただ、そこも想定内。「いかに序盤で速い選手に追いつくか。200~250メートルくらいで横並びになれば、中盤からの加速には自信がある」

 車いす二つ分のリードを許して迎えた最後の直線。終盤の走りには絶対的な自信があったとはいえ、追い抜いた地点はゴールまで十数メートルしかなかった。

 世界記録更新での2種目制覇を「必ず達成する」と宣言していた佐藤。「『したい』は、僕からすれば『できたらいいな』なので。そうじゃない、絶対にそれを『する』。そう決めているので」

 それだけに、レース直後のインタビューでは自身の世界記録に0秒26届かなかったことに、悔しさをにじませた。「次の1500メートルでは、金メダルと世界記録を獲得したい」

 喜びに浸りながらも、視線は2冠に向いていた。(松本龍三郎)