「飛べない生き方もある」バリバラ出演者、パラへの思い

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小瀬康太郎
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 24日に開幕した東京パラリンピック。開会式は「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」をテーマに掲げ、車いすの少女が演じる「片翼の小さな飛行機」が空へ飛び立つ過程を表現した。

 脳性まひの当事者であり、バリアフリーのバラエティー番組を掲げるNHK・Eテレ「バリバラ」に出演する社会福祉士の玉木幸則さん(53)は演出を評価する一方、「飛べないなりの生き方もある」と話す。「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」を対象にした番組で、笑いも織り交ぜながら多様性のある社会について発信を続けてきた玉木さんの思いとは。

 ――パラリンピックの開会式を見てどう感じましたか

 五輪の開会式と比べると、ストーリーが一貫していてずいぶんよかった。ただ、「片翼の小さな飛行機」がみんなの応援を受けて最後は飛び立った、という部分についてだけ言うと、別に飛べんでもよかったんやないか、と僕なんかは感じたんです。

 「飛行機だから飛ばなあかん」ではなくて、「飛行機でも飛べんかったら飛ばんくてええやんか」って。演出や感じ方の問題なので良い悪いを言うつもりではなく、僕が演出するとしたら、そんなストーリーにしたと思います。

 障害者は普通の人に比べて劣ってるっていう見方をされることがあります。別に僕らはそう思ってないけど、人って知らず知らずに「こうでないといけない」って考えてしまうようになる。歩けないより歩けた方がいいとか、手が使えないより使えた方がいいとか。でも飛べんかったら、飛べないなりの生き方や役割があるっていうんかな。

 現実には頑張ってもできないことっていっぱいあるわけでね。よく僕が言うのは、手足が不自由な自分が外科医になりたいというと、みんな「無理や」と止める。もちろん一方的に夢を否定するのは違いますが、これは適性の話。無理してもできんことはいっぱいあるわけで、外科医になれなくても他の生き方があります。可能性や多様な生き方があると伝えるのであれば、「別に飛べなくてもいいよね」という見せ方もできたんやないかな。

玉木さんは、パラリンピック自体をどう考えているのでしょう。インタビュー後半では、自身の体験談も交えながら「多様性と調和」のために大切なことを語ってくれました。

 ――パラリンピックそのものについて、どう捉えていますか

 五輪と別の大会に分ける必要はどれほどあるんかなと思います。

 以前、走り幅跳びのある義足…

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