福岡・天神から文化発信の「イムズ」、32年の歴史に幕

有料会員記事

松本真弥 松沢拓樹
[PR]

 福岡市・天神で多くの人に親しまれてきた商業ビル「イムズ」が8月末で閉館する。奇抜なキャッチコピーに、芝居や音楽公演を独自に企画して「情報文化の発信基地」を名乗る、異色の存在でもあった。市の再開発構想「天神ビッグバン」をきっかけに、32年の歴史に幕を下ろす。

 西鉄福岡(天神)駅のそばに立つ、地上14階建ての黄金色のビル。外壁のタイルは有田焼。中は地下2階から地上8階まで、広々とした吹き抜けだ。

 イムズ(IMS=Inter Media Station)は1989年4月に開館。土地はもとは市有地で、地場百貨店の福岡玉屋などが参加した事業コンペで、三菱地所明治生命(社名は当時)グループが勝ち取った。勝因は「情報文化の発信基地」というコンセプト。これがアイデンティティーとなり、独自性が芽吹いた。

 「若者福祉のパラダイス。」

 開業時のポスターにはこんなコピーが載った。この頃、国は老人ホームなどの整備に巨額の予算を割く計画を立てた。高齢者への社会福祉が声高に叫ばれる一方で、軽んじられる若者――。そんな時代の空気をくみとり、「若者の文化的な欲求を満たし、生活を豊かにするものがそろうというメッセージを込めた」と、参与の仲野照美さん(62)は読み解く。

 館内や駅などに貼られたポスターにはその後も、「フレフレ、人間。」「祝・未完成人」といった奇抜なコピーを使い続けた。

 地元の文化芸術を育もうと…

この記事は有料会員記事です。残り1378文字有料会員になると続きをお読みいただけます。