3ランの智弁学園・小畠 打っても投げても浜風を味方に

大坂尚子
[PR]

(28日、高校野球選手権大会準決勝 智弁学園3-1京都国際)

 「体に向かってきたボールを振ったら入った」。四回2死一、二塁。智弁学園の小畠一心(いっしん)はカウント2―1から、高めのスライダーにとっさに反応した。高々と上がった打球は浜風に乗って左翼席最前列へ。先制3ラン。「レフトフライだと思って最初はダッシュしてたんですけど」。本塁付近で仲間の笑顔が見えると、ようやくほおが緩んだ。

 直前に味方がスクイズを失敗。三塁走者がアウトになったが、四球でつないでくれた。仲間のミスは取り返す。普段から全員で意識していることだ。

 この日、小坂将商監督から指示された狙い球は直球。初球で来たがバットに当たらなかった。1年生の頃は参加していた打撃練習も、今は大会直前くらい。しかも大半がバント。そんなわずかな時間で意識しているのが「芯にしっかり当てること」。その感覚を体は覚えていた。

 本職へ、すぐに切り替える。マウンドでも浜風を味方につけた。「中堅から右のフライなら風で戻ってくる」と読み、左打者へは高めの直球を大胆に使った。一方で右打者には外角を丁寧に突く。中犠飛で1点は失ったが、打たせて取って今大会2度目の完投。打って、投げて、決勝への切符をもぎとった。(大坂尚子)