「自分のためでもいいですか」脳腫瘍、もがいたその先に

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荻原千明
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 東京・お台場で28日にあった東京パラリンピックトライアスロン男子(視覚障害)。スイムとバイクを終え、3位で迎えたラン(5キロ)の終盤、2位との差は約10秒だった。

 「前が見えてる。いける」。ガイドの椿浩平(29)が、ロープでつながる全盲の米岡聡(35)に声をかけた。米岡の攻める気持ちにスイッチが入る。ただ前を追って、2人でゴールに飛び込んだ。

 椿は国内外の大会で優勝を重ねたトライアスロンの有力選手だった。惜しくも代表を逃したリオデジャネイロ五輪が開かれていた2016年8月、脳に腫瘍(しゅよう)が見つかった。運動機能をつかさどる小脳にあり、医師に「競技は諦めて」と言われた。手術は成功したが、悪性の髄芽腫(ずいがしゅ)と判明。放射線と抗がん剤を用いた治療が始まった。

 入院時、副作用で歩けないこ…

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