タリバン、混乱続くカブール空港の運営をトルコに要請

アフガニスタン情勢

イスタンブール=高野裕介、バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンの首都カブールの国際空港の運営をめぐり、権力を掌握したイスラム主義勢力タリバンが、トルコに協力を要請した。空港の稼働は外交関係者や外国人の退避だけでなく支援物資の搬入にも不可欠なため、協議の行方に注目が集まっている。

 「(タリバンは)空港の安全は自分たちが提供すると言った」。トルコのエルドアン大統領が27日の記者会見でこう述べ、タリバン側と協議をしたことを明らかにした。技術面などでの運営協力を求めているという。

 トルコ大使館が一時的に置かれているカブール空港内で初めての協議が行われ、エルドアン氏は「必要であれば再び会談を持つだろう」と話した。ただ、前日には空港近くで170人以上が犠牲になる爆破テロ事件が起きており、安全の担保が前提条件であるとして慎重な姿勢を見せた。ロイター通信は、トルコ政府高官が、自前の治安部隊なしでは協力は難しいとの認識を示したと伝えている。

 米国がアフガニスタンからの撤退を表明して以降、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるトルコは、各国の外交団が安全に出入りできるよう、空港の警備や運営に乗り出すことに前向きだった。バイデン政権と条件面の折衝を続け、冷え込んだ対米関係の改善の機会になるとみられていた。

 ところが、タリバンが攻勢を強めてほぼ全土を制圧したことで状況は一変。ロイター通信は16日、政府関係者の話として、空港運営について「断念した」と報じた。トルコ国防省は25日、軍の撤退を始めたと発表。27日には一部要員を除いた軍と、民間人の退避を完了したという。

 同じイスラム教を信仰する国民が多数のトルコは、NATO加盟国とはいえタリバンにとっては欧米各国に比べて受け入れやすい存在だ。タリバン報道担当のザビフラ・ムジャヒド幹部は、24日の記者会見で「トルコはイスラムの国であり、文化も近い。トルコ政府とは良好な関係でいたい」と語った。ただ、トルコを含めた外国部隊については「必要が無い」として撤退を求める姿勢を崩していない。

 一方、中東カタール衛星放送アルジャジーラは27日、タリバンがカタールにも協力を要請すると報じた。タリバンは2013年、カタールに外交窓口を開設。タリバンの外交担当幹部たちは、カタール政府の支援を受けながら首都ドーハで生活している。タリバンが米特使と駐留米軍の撤退について交渉したり、アフガン政府と停戦の可能性を話し合ったりする場を、カタール政府がお膳立てしてきた。

 トルコとカタールは友好関係にあるうえ、両国とも中東でハブ機能を持ち、日本から欧州などに向かう際にトランジットをする客も多い。(イスタンブール=高野裕介、バンコク=乗京真知