米軍の報復、懸念される暴力の連鎖 「今後数日が危険」

有料会員記事アフガニスタン情勢

ワシントン=園田耕司、バンコク=乗京真知
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 米兵ら多数が犠牲になった26日の爆破テロを受け、米国はアフガニスタン東部で過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織への報復攻撃に踏み切った。カブールの空港での退避作戦が大詰めを迎えるなか、報復の連鎖も懸念される。

 「バイデン氏は、彼らに地球上でこれ以上生きていて欲しくないという考えをはっきりと示したのだ」

 サキ米大統領報道官は27日の記者会見で、バイデン大統領が前日に「(テロリストを)追い詰め、代償を支払わせる」と発言した真意を問われ、こう語気を強めた。

 今回のドローン空爆による報復攻撃は、爆破テロ後、48時間以内に行われており、素早い対応だった。米国の威信はアフガン政権崩壊や爆破テロで大きく傷つき、国内ではバイデン氏への批判も強まる。バイデン氏としては、テロに決して屈しない「強い米国」を国内外に明確に示すという狙いもあったとみられる。

 米国が敵対勢力へ報復攻撃をするのは珍しいことではない。トランプ政権では2018年4月、シリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、報復として米軍が英仏との共同作戦で化学兵器関連施設3拠点に計105発のミサイルを撃ち込み、破壊した。20年1月にはイランのイスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官をイラクドローンの攻撃で殺害。親イラン武装組織によるイラクでの米関連施設や米大使館などへの攻撃に対する報復だった。

 ただ、報復攻撃は報復攻撃を招くという負の連鎖を生み出す。実際、ソレイマニ司令官の殺害をきっかけに、米イラン両国は本格的な軍事衝突の一歩手前まで急速に緊張が高まった。

 今回の報復攻撃でも、カブールの空港で退避作戦を展開する米軍兵士がさらなるテロ攻撃を受ける恐れが高まる。バイデン氏は27日午前、ホワイトハウスで国家安全保障チームと協議し、新たなテロ攻撃が行われる可能性が高いという報告を受けた。サキ氏は声明で「(退避作戦の)任務は今後数日間が最も危険な時期となる」と指摘。米軍は最大限の警戒態勢を取っていることを明らかにした。

 カブールの米国大使館も27日、現地の米国市民に対して空港のゲートから「即時離れるように」と警告を出しており、現地では再び緊張が高まっている。

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