今夏10試合無失策、安定のセカンド 京都国際・植西君

吉村駿
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(28日、高校野球選手権大会準決勝 智弁学園3-1京都国際)

 京都国際の二塁手、植西龍雅(りゅうが)君(3年)は今夏、京都大会から28日の準決勝まで10試合無失策だった。小牧憲継(のりつぐ)監督も「内野で最も安定感がある」と信頼を置いていた。

 チームが初めて甲子園の土を踏んだ春の選抜大会で、植西君はボールボーイだった。開幕2週間前の練習試合で、併殺を狙って送球した際に右肩を負傷したのだ。

 その選抜大会でチームは初戦を突破。「仲間の活躍はうれしかった」というが、喜びはやがて悔しさに変わった。大会後も部内では選抜の話でもちきりだった。

 「あの投手の球、また打ちたいな」「あの場面は緊張したな」

 そんな仲間の話を横で聞きながら、「夏は自分がチームを引っ張って、絶対甲子園に戻る」と闘志を燃やした。

 植西君が磨こうと思ったのは守備だ。京都国際は守備を重視している。

 それには訳がある。京都国際のグラウンドは右翼60メートル、左翼67メートルと、私立の強豪校としては狭い。周囲を森に囲まれ、打撃練習をすれば、1ダースの球がなくなったこともあった。打撃練習に制約がある分、様々なかたちで野手間のボール回しをするなど、捕球や送球の基本動作を繰り返し、守備を鍛えている。

 植西君はケガで右肩が上がらない時も、左手にグラブを着け、朝6時から仲間にノックを打ってもらった。確実に捕球するのは、このチームで当たり前。難しいバウンドでも前進して捕球し、併殺を狙う「攻める守備」を意識した。

 守備から攻撃のリズムを作るのが京都国際の戦い方だ。28日の智弁学園との準決勝でも五回無死一、二塁のピンチで、植西君は併殺を奪い、相手の勢いを止めた。その裏、京都国際は1点を返した。

 試合には敗れたが、植西君は「ずっと練習してきた守備は甲子園でもしっかりと出せた。日本一には届かなかったが、やりきれたので悔いはありません」と言いきった。(吉村駿)