井山名人、あえて誘いにのり強硬策を進む 第1局を分析

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大出公二
囲碁名人戦、バーチャル大盤解説会~解説・三村智保九段、聞き手・万波佳奈四段~【第46期囲碁名人戦七番勝負】
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 優勢の碁を勝ちきる道筋には、相手の勝負手に妥協して、差を詰められながらも逃げ切るコースと、リスクを恐れず、最強最善を追い求めるコースがある。井山裕太名人(32)は、かたくなに後者のスタイルを貫く。第46期囲碁名人戦七番勝負(主催・朝日新聞社、協賛・株式会社 明治、マニフレックス)の第1局は、面目躍如の快局だった。

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感想戦に臨む井山裕太名人(左)と一力遼天元=2021年8月27日、東京都文京区のホテル椿山荘東京、迫和義撮影

 昨年の天元戦でフルセットの末に6連覇を阻止され、攻守ところを変えて挑戦中の碁聖戦でも再びフルセットの接戦を演じている強敵、一力遼挑戦者(24)を迎えた今期名人防衛戦。第1局は1日目から得意の七番勝負で好パフォーマンスを発揮し、一力の強襲を華麗にいなしてリードした。

 明けて2日目。獲得陣地の広さで大差をつけられた挑戦者は、陣取り合戦をあきらめた。左辺から中央に延びる名人の大石に狙いを定め、大捕物にすべてを賭けた。

 中盤佳境の午後4時39分。図1の名人の△に、黒1が挑戦者最後の勝負手。必然の白2、黒3と進んだところで、名人に岐路が訪れた。

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図1 挑戦者、最後の勝負手

 選択肢は白AとBの二つ。A…

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