ホテル客室で疑似キャンプ体験 都心で高級プランが続々
新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都内。移動や外出の自粛で利用者減少に直面している都内のホテルが、感染対策を施した客室内で夏を体験できる宿泊プランを打ち出している。
旧グランドプリンスホテル赤坂の跡地に立地する「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」(千代田区)では、サマーキャンプをイメージしたプランを企画。室内をヒマワリで装飾し、夕食では優雅なキャンプを楽しむ「グランピング」を意識した肉や野菜のグリル料理などを客室で味わえる。高層階の窓の外に広がる都心のビル群のパノラマを眺めながらアウトドア気分に浸れる演出だ。
客室での食事で宿泊者同士の接触を減らし、窓際に外気を取り込む装置を設置するなど、利用客の安心にもつとめているという。1室(2人利用)7万2千円から。9月12日まで。
同ホテルではハワイでの宿泊を疑似体験するプランもある。現地の大自然を映した映像や音響で室内に南国気分を醸し、ホノルル・ワイキキの有名ホテルのシェフが監修したハワイのコース料理をルームサービスで楽しめる企画だ。
西側の客室からは国立競技場を望めるため、東京パラリンピック期間中の宿泊も問い合わせが入っているという。東京五輪の開閉会式では、打ち上がる花火を眼下に見下ろすことができた。広報担当の中尾根(なかおね)由梨さんは、「感染対策を徹底した室内で安心してお出かけ気分を味わってもらいたい。夏休み後半の思い出にしてもらえれば」と話している。
臨海副都心の「ヒルトン東京お台場」(港区)でも疑似キャンプ体験ができる宿泊を企画。たき火台(火気厳禁)やテント状のシェードがある部屋を1日1室限定で用意。夜はランタンの明かりが照らし、レインボーブリッジを望むバルコニーから天体観測も楽しめるという。料金は1室(2人利用)7万9428円から。宿泊は12月12日まで。
アニメやゲームで人気の「ポケットモンスター」の世界に迷い込んだような客室を提供するのは、アパートメントホテル「MIMARU」。台東区と中央区にある3施設では、キャラクターのデザインが随所にちりばめられた「ポケモンルーム」を展開している。キッチン付きのため、子ども連れの家族に向けて、料理でキャラクターを再現できるオムライスやプリンなどオリジナルレシピを開発し提供している。(加藤諒)