石の声はまだ聞こえるか 現代アートで問う社会の感性

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西田理人
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 触れる行為とデジタル技術を結びつけ、モノとのコミュニケーションの在り方を探求するアートユニット「MATHRAX(マスラックス)」(久世祥三+坂本茉里子)。代表作「いしのこえ」は、ネイティブアメリカンが石の声を聴く、という逸話に想を得たインスタレーションだ。「人間は古来、自然のあらゆるディテールから生の手がかりを読み取ってきた」と語る作家に、作品に込めた思いを聞いた。

「いしのこえ」は、大阪の豊中市立文化芸術センターで、9月5日まで特別展示中。

小石から指へと伝わるメッセージ

 自然の石や木を素材にした体験型のメディアアート作品で知られるMATHRAX。「いしのこえ」では、三角形の木の台の上に、12個または13個の小石が鍵盤のように並ぶ。指で触れると、水琴窟のような神秘的な響きが和室の会場内にやさしく広がった。

 小石はスマートフォンタッチパネルのように微弱な静電気を帯びていて、手を近づけたり、触れたりすると、静電気が人体に「吸い取られる」。それに装置が反応して音が鳴る、という仕組みだ。小石から指へと伝わる静電気=メッセージが音に具現化されることで、鑑賞者はそこにモノとのコミュニケーションが生じていることに気がつく。

 音はサンプリングではなく…

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