日本酒、進化していたのに 「夏子の酒」漫画家が描く罪

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岡本進
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 芳醇(ほうじゅん)で、米のうまみを味わえる「純米吟醸酒」。ここ20~30年で人気が高まった日本酒の種別だが、じつは戦前に多くの酒蔵が造っていた。高みをめざしていた日本酒の進化を断ち切ったのが戦争だった。

 漫画「奈津の蔵」は、そんな戦前の酒造りを題材にした作品だ。作者は、埼玉県川口市在住で名作漫画「夏子の酒」を描いた尾瀬あきらさん(74)。当時の全国清酒品評会で入賞に挑む酒蔵が描かれている。98~2000年に漫画誌「モーニング」に連載された。

 精米し、4割以上削った米を低温で発酵させて造るのが吟醸酒だ。余分な脂質やたんぱく質が取り除かれ、雑味が減る酒に仕上がる。玄米を足踏み式の「碓(からうす)」で精白した時代を経て、水車を使った精米が始まり、電気の普及後は精米機が発明された。技術の発展に伴い、吟醸酒造りは各地に広がった。

 だが、日中戦争が起き、清酒品評会は休止になり、吟醸酒は「幻の酒」となった。

 尾瀬さんは言う…

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