アフガン退避「初動に遅れ」 伊勢崎賢治・東京外大教授

アフガニスタン情勢

聞き手=編集委員・藤田直央
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 日本政府によるアフガニスタンからの退避支援をどう見るか。かつて米国主導の戦争で旧タリバン政権が崩壊した後、政府特別代表として武装解除にあたった伊勢崎賢治・東京外国語大学教授に聞いた。

支援粘り強く、急いで

 アフガニスタンの国造りを長年支援してきた日米など各国にとって、タリバンが復権する中で問われているのは、自国と深く関わったことでタリバンに狙われかねない現地の人々をいかに退避させるかだ。

 私はそうした観点から、駐留米軍の撤退期限が今月末に迫る中、今月初めから自衛隊機派遣を含めた退避支援を政府に進言していたが、初動が遅れた。邦人保護を基本とする現行法の下で、外国人については手探りだったようだ。

 退避支援は終わったわけではなく、粘り強く続け、急がねばならない。アフガンでは、米国と過激派組織「イスラム国」(IS)の間に新たな紛争も起きている。政府は民間機の運航再開時や陸路での出国に備え、退避希望者に「命のビザ」の発給を進めるべきだ。

 大使館を閉じていても、ネットでビザ発給はできる。日本のNGOの現地スタッフや大学への留学経験者の退避希望も外務省は受け付けてくれている。そうした人たちも円滑に退避できるよう、タリバンとの交渉を続ける必要がある。(聞き手=編集委員・藤田直央