頼みの金融庁も突き放した 地銀トップ解任の舞台裏

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女屋泰之、編集委員・堀篭俊材
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 「地方銀行の雄」と目されていた山口フィナンシャルグループ(FG)で6月にトップの解任騒動があった。突然の記者会見から、取締役会が異例の判断に至った内幕を探ると、地銀の経営が厳しさを増すなかで強引に突っ走った地銀界の「改革派」トップの姿が浮き彫りになった。最後は頼みの金融庁にも突き放された。

 山口FGから1枚のファクスが福岡に拠点を置く報道機関に届いたのは6月25日午後4時半ごろだった。本州最西端の山口県下関市にある山口FGの本社で、約1時間半後の午後6時から緊急の記者会見を開くという知らせだ。資料の配布が間に合わないまま、会見が始まるドタバタぶりだった。

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会長の解任騒動があった山口フィナンシャルグループの本社が入るビル=山口県下関市

 その日は山口FGの定時株主総会が開かれていた。夕方に急きょ集められた記者たちに椋梨敬介社長(51)が明らかにしたのは、事前に内定していた人事案をくつがえし、地銀界の「改革派」として知られた吉村猛会長(61)を解任するという驚きの内容だった。

 「判断の理由は」「クーデターではないのか」。会見では次々と質問が出たが、会社側は「新規事業をめぐる意見の対立があった」と繰り返すばかりで、詳細な説明を避けた。

 何が起きていたのか。語られなかった真相を追うために関係者をたずね歩くことにした。

「1人ずつ理由をいってほしい」

 騒動の発端は会見の7時間ほど前に起きていた。

 午前11時過ぎ、山口FGの…

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